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367 震災復興支援課 外伝(その1) 思いがけないクリスマスプレゼント?

元新潟県県民生活・環境部 震災復興支援課長 丸山由明(第10話)

 
2004年も12月になり中越はまもなく雪の季節を迎える。
「雪が降る前に」そんな思いで63団地3,460戸の仮設住宅の建設が急ピッチで進んでいた。
12月15日に全戸完成し、入居がほぼ完了する頃、
待っていてくれたかのように雪が降り始めた。
その冬は中越でも数年ぶりの豪雪となり、被災地は真っ白な雪に覆われた。

その頃、私は市町村課の本来業務に追われていた。
翌年度の予算編成や人事異動に向けて夜なべ仕事が多くなる時季なのだ。
その夜も一人でひたすら職員の人事異動調書を作成していると、
突然、企画課の鈴木主幹がやって来て「丸山さん、大変なことになった」と言う。
「何ですか?」と聞くと「震災復興支援課が出来るそうで、
私が課長で、あんたが補佐だ」と言う。
「はぁ、そうですか、時節柄ありそうな話だなぁ」と他人事のように思えた。

後日、正式に出た異動内示によると震災復興支援課の新設は2005年1月1日付け、
総勢10人とのこと。県庁内では最小の課だったかも知れない。
さて、時間がないぞ、御用納めが迫っている。
急いで二つの課に少しずつ動いてもらってすみっこに場所を確保し、
庁内で余っていた10人分の机や書庫をかき集めて、なんとか格好をつけた。
異動辞令は1月1日付けだが、実際の交付は休み明けの4日になる。
年末年始は子供たちを連れて妙高でスキーと温泉なのだ!
来年のことは来年考えよう。かくして激動の2004年が暮れていった

元新潟県県民生活・環境部 震災復興支援課長 丸山由明(第10話)