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355 ガス水道局での災害対応(支払い作業)

おぢや震災ミュージアムそなえ館 堀澤淳司 インタビュー(第8話)

 (中越地震発生当時 小千谷市ガス水道局主任)

 
復旧復興は、もちろんガス管、水道管を直すというところだったり、
水を配る、給水車を配るのもそうなんですけども、
最終的にはお金を払う必要が出てくる。

もちろん工事をした業者さんには工事代金を払うし、
給水車で活動してくれた方にもその活動にかかったお金を払わなくてはいけない。
何億というお金が最終的に必要になる。
ガスの復旧には何十億という金額を支払わなきゃいけない。
そんなお金はもちろんありませんから、国から借金をするんですね。
借金をしてそれぞれ工事業者さんとか水道事業者さんに支払われる。
そのお金を借りる算段を急いでしなきゃいけない。

とりあえずお金の算段について、
それぞれ給水車を出してくださった水道局さんとか工事をしてくださった業者さんから
請求書がどんどんと届くんですね。
これはもうルールなので。かかったお金を請求する。
請求して被災地がお支払いをすると。

どんな中身かというと職員さんの食事代だったりとか
もちろんここまで来るのにかかった交通費とかですね。
こちらに来るにあたって必要なものを準備するためにかかったお金とか。
その辺は全部請求としています。

ただ宿泊代は実は小千谷市内の宿がほとんど使えない状態でしたので、
ほとんどの水道事業者の方はとある学校の体育館に
雑魚寝といいますかをしていただきました。
その事業者の方たちは宿泊費を請求されなかったですけれども、
中には市外の温泉ホテルに寝泊まりをして
そこからこう通われていた事業者の方もいらっしゃったので、
そういうところは宿泊費を合わせてドンという請求書がきました。
その支払い作業が給水作業の次に待っていた仕事でしたね。

非常事態ですので職員の皆さんの気持ちがピーンと張り詰めていて、
やらないわけにいかないという仕事がしばらく続きました。
もちろん体力的にもかなりきつい時もありましたけれど、
みんな自然と頑張れたといいますか。
ちょっと落ち着いた時に振り返ってみると
「よく頑張ってあの時やったよね」なんていうね。

仕事の中でいえばやることは次から次へとありましたけど、
仲間が、職員がたくさんいたので一緒になってやれば何とかなるかなというのは、
あまり深刻に考えないようできていたので…。
給水車が減ったり増えたりという部分はもちろん一番困ったんですけれども、
全体にみれば基本的には、比較的頑張れたかなと思いますね。(つづく)

おぢや震災ミュージアムそなえ館 堀澤淳司 インタビュー(第8話)

 (中越地震発生当時 小千谷市ガス水道局主任)