元 川口きずな館スタッフ・旧川口町武道窪出身 赤塚千明(旧姓 渡辺)(第13話)
お金を節約したい気持ちもあり、
その頃の朝食はもっぱらカロリーメイトを2本、
一箱の半分と決めて食べていた。
普段、通学で毎日小出駅から学校まで歩いていた
往復40分の運動をしなくなったにもかかわらず少し痩せた。
平日は校内から授業に通い、
土日だけ親元に帰り過ごす日々が続いた。
冬が近づき、降雪前に武道窪の実家を取り壊すことが決まった。
当日は学校を休むかと親に聞かれ休むと答えた。
震災で壊れた実家を見た直後はあまり実感がわかなかったが、
生まれてからずっと過ごした家が
目の前で大きな重機で解体されていくのを見て、
震災以降、初めて涙があふれた。
地震直後に家を飛び出したきり帰ってこなかった飼い猫が、
その瞬間はなぜか家の前にいた。
解体の異常な物音に警戒しているのか、
作業中ずっと大きな声で鳴いていた。
猫は家に付くというが
「自分の家」が壊されていくのがこの子も嫌なのかなと思い、
それが寂しさを一層感じさせた。
プレハブ住宅に土日だけ寝泊まりする中で、
叔母が作ってくれた白菜とウインナーだけのシンプルな鍋がとても美味しかった。
食料が少ない中でも、こう作ると美味しい、ということを時々教えてもらえた。
その頃の朝食はもっぱらカロリーメイトを2本、
一箱の半分と決めて食べていた。
普段、通学で毎日小出駅から学校まで歩いていた
往復40分の運動をしなくなったにもかかわらず少し痩せた。
平日は校内から授業に通い、
土日だけ親元に帰り過ごす日々が続いた。
冬が近づき、降雪前に武道窪の実家を取り壊すことが決まった。
当日は学校を休むかと親に聞かれ休むと答えた。
震災で壊れた実家を見た直後はあまり実感がわかなかったが、
生まれてからずっと過ごした家が
目の前で大きな重機で解体されていくのを見て、
震災以降、初めて涙があふれた。
地震直後に家を飛び出したきり帰ってこなかった飼い猫が、
その瞬間はなぜか家の前にいた。
解体の異常な物音に警戒しているのか、
作業中ずっと大きな声で鳴いていた。
猫は家に付くというが
「自分の家」が壊されていくのがこの子も嫌なのかなと思い、
それが寂しさを一層感じさせた。
プレハブ住宅に土日だけ寝泊まりする中で、
叔母が作ってくれた白菜とウインナーだけのシンプルな鍋がとても美味しかった。
食料が少ない中でも、こう作ると美味しい、ということを時々教えてもらえた。
元 川口きずな館スタッフ・旧川口町武道窪出身 赤塚千明(旧姓 渡辺)(第13話)