295 災害への意識不足

一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第10話)

 

中越地震から20年間が経過しました。
この間、中越地震が発生すると考え、
備えていたという人に出会うことはありませんでした。
恥ずかしながら、私も新潟地震で被災した経験があるためか、
新潟ではもう地震はないと漠然と考えていました。
災害発生があると思わなければ、誰も備えようとしません。

中越地震後に松井克浩先生が行った被災者アンケートでは、
翌日から1週間目の間に役に立った支援では、
No.1は食料・食事であり、もっと欲しかった支援でも
No.1は食料(特に野菜・果物)でした。

いつ来るか分からない地震のため、
そのためだけの備えはしにくくとも、
何時来てもなんとかなる備えに変えることができれば良いのではと感じました。
ジャガイモや玉葱、リンゴやバナナを災害のために備蓄できませんが、
賞味期間が短くとも常に一定の買い置きを持ちながら
消費する方法であれば、家庭ならできそうです。
新しいライフスタイルが災害対策になればと思いました。

一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第10話)