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261 フィールドワークは楽しいけれど…

大阪大学人間科学部人間科学科4年 共生行動論研究室 中村早希(第4話)

 

活動に参加するとき、いつもの私のままでは
心がちょっとだけ押しつぶされてしまうことがあります。
そんな時に備えてあえて鈍感に振舞うのです。
男性優位な状況を目の当たりにしても動じず、
セクハラ発言に笑ってツッコミを入れられる余裕が持てるように。

昭和らしさに対する嫌悪感は、私の周りの数少ない女子学生の間では
ある程度共感できるトピックなのですが、
だからといってこうしたい、こう変えていきたいなどという
議論にはあまり発展させられません。
なぜなら自分たちでもどうしたいのか良く分かりませんし、
言ったところで取り合ってもらえるのか不安だからです。
このままじゃ良くないよねとは思いつつも、やり過ごしてしまっています。

私たちは「それすごく男尊女卑じゃないですか?」といって
場の空気を凍らせるほどのガッツは持ち合わせていないし、
「その発言・行動は不快です」だなんて目の前の偉いおじ(い)さんに
言えてしまうほど向こう見ずではないのです。
それに人と人が関わる以上起こってくる問題はセクハラだけではないし、
そんなことよりも取り組むべき課題があるのもわかっているつもりです。

ですが集落へ参画し、村おこし・復興を考えるためには
このもやもやに蓋をしなければならないのでしょうか?

また、震災復興に「携わった」地域の方々、
研究者の方々として挙げられる名前の多くが男性ですが、
そのことに関しても省みられることなく、
中越20年プロジェクトは進んでいくのでしょう。
被災に、復興に男性も女性も無いのに、
それでいいんだろうかと思ってしまう自分がいます。

PS.
この文章がメルマガで配信されてしまうことにまあまあ緊張していて、
「やっぱり出すのやめたいです」と言ってしまいたいくらいですが、
事務局の諸橋さんが「これこそ配信しようよ」とノリノリなのでもう諦めましたwww

大阪大学人間科学部人間科学科4年 共生行動論研究室 中村早希(第4話)