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246 地球の裏側で(その5)

中越市民防災安全士会 会長 岸和義(第5話)

 

中越地震が米国子会社での生産に残した教訓は
「大きな災害を想定したサプライチェーンの見直しの必要性」でした。
日本での地震のみならず、生産の多くを占めるようになった
東南アジアも地震では同様のリスクを有しています。
更に自然災害のみならず、各種紛争の事も心配です。

2005年に帰国してから、その様な災害や混乱があっても
生産を続けられる様にするためのBCP(生産継続プログラム)を検討し、
グループ内での代替生産の可能性を広げることや、
製品仕様面から専用部品を減らし部品の標準化を進めることを行いました。

また、キーパーツや専用部品をグローバル的にどこに在庫させるかなど、
いざという時を想定し、それでも生産ができる様なしくみを検討しまた。
実際には発注してもらう製品の仕様がますます品種が多くなるなど
部品メーカーの志だけでは進展しない事も多く見られました。

地球の裏側での車販売計画、生産計画とつながっている長岡での生産・調達計画を
如何に無駄を生じないシステムに変えて行くかという壮大なテーマ。 
やりがいもありましたが、力不足を痛感した中越地震対応でした。

【執筆】
 中越市民防災安全士会 会長 岸和義(第5話)