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240 物流の停止と災害時の食

一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第8話)

 

小千谷市の自宅近くのコンビニは棚から商品が落ち、
停電のため中は真っ暗、レジも使えない状態でした。
翌日、商品を店前に並べて電卓で計算しながら販売していましたが、
間もなく在庫は空になりました。

また、駅近くのスーパーの外壁は歩道に大きく倒壊し、
中に入ることは危険とされました。
自動販売機も宅配も利用できず、
被災地では一切の食料や生活物資の入手は困難になりました。

市内の道路では液状化の影響はありましたが、通行できていました。
しかし、市内に通じる国道や高速道路の被害は大きく、
トラックや貨車での輸送ができないことを知りました。
道路の応急復旧でも3日程度ですむものではなく、
また被災地の外に疎開することもできずに備蓄していたものと
救援物資でしのぐほかありませんでした。

中越地震は10月23日に発生しましたが、その年の冬は大雪でした。
もし、地震と大雪の複合災害となれば、道路の損壊場所も雪で埋まり、
除雪も大幅に遅れたと思います。
この複合災害は考えたくありませんでしたが、これからは備える必要があります。

【執筆】
 一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第8話)