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235 中越大震災の体験-外国籍市民の声-(その7 アメリカの留学生) 「長岡の新しいフェニックスの炎(1)」

「母国語でつづる中越大震災の記憶」より抜粋紹介(第7話) 協力:国際交流センター「地球広場」

 

ある日、授業のあと、技大で他の学生たちとスポーツをしてくつろいでいると、
体育館の天井が揺れ、そしてライトも揺れ始めました。
色々な考えが私の頭の中を過ぎり、それが地震であると分かりました。
しかし、その時はまだ、この地震がどれほど強いものになるか想像もしていませんでした。

体育館のライトが消え、人々はみな混乱していました。
私は少し待ちましたが、音が大変大きかったため、屋外へと急ぎました。
しかし外は暗く、みんな走って逃げましたが、沢山の人が出口をふさいでいました。

外に出ると、私たちは、車やビルや床がどれだけ激しく揺れているのかを見ることができました。
どんなに強い力であっても、その瞬間に起きていることを
コントロールすることはできそうにありませんでした。
アドレナリンが放出され、それが地震のほんの始まりに過ぎないということも、
この時はまだ分かりませんでした。
(明日へつづく)

【執筆】
 「母国語でつづる中越大震災の記憶」より抜粋紹介(第7話) 協力:国際交流センター「地球広場」