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209 7.13水害の体験談 三条市内の消防団員(その3)

株式会社エコロジーサイエンス 樋口勲(第3話)

 

※中越大震災から20年ということは、7.13水害(新潟・福島豪雨)からも20年…
 本文章は、7.13水害の体験談として、7.13水害から5年後の平成21年に
 地域の方々にヒアリングし、信濃川大河津資料館にて紹介したものを、
 読みやすく調整したものです。

(14日の救助活動中は)上空を多くのヘリコプターが低空で飛び交い、
その音は非常に大きく、安否確認の声は家の中に響かないほどでした。
そのような折りに、家の中に子供が取り残されているとの情報が入りました。
一瞬、血の気が引きましたが幸い無事で何よりでした。
また、妊婦さんも救助しましたが、
無事元気な赤ちゃんが生まれることを願うばかりでした。
このような救助活動は14日いっぱい続きました。
15日に自宅へ戻ると非衛生的な泥水に長時間浸かっていたせいか、
足の皮膚が炎症をおこしていました。
 
本当に大変だったのは泥水が引いた後でした。
私は仕事上お付き合いのあるお客さんの家やボランティアとして
各地に後片付けに行きましたが、いずれも泥出し・ゴミ出しは先の見えない作業で、
畳をはぐって床板をはいでスコップで地道に泥をかき出すしかありません。
このときは仕事で使っている噴霧器が役立ちました。
泥を洗い流してくれましたからね。
このような泥出し・ゴミ出し作業は10日ほど続きました。
 
あの水害以来、大雨が降ると、
消防団はいち早く消防団の積載車を準備し、川を見回ります。
水害は2度とおきてほしくないですが、
水害を経験して防災への意識は高まりました。
何事も備えが大切であること、地域の方々の協力が災害防止、
災害軽減に一番大切であることを実感しています。
 

【執筆】
 株式会社エコロジーサイエンス 樋口勲(第3話)