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205 住家の被害と災害時の食

一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第7話)

 

食料備蓄は3日分が一般的でした。発災後72時間は救出救護を優先し、
4日目からは救援物資の搬入が始まるまでの3日分を備蓄しておくという考えです。

しかし、3日くらいなら食べなくとも何とかなる、
避難所に行けばいろいろももらえるという理由で、
備蓄が進まないという課題がありました。
しかし、備蓄するしないの前に重要なポイントがあると感じました。

住家が全壊・半壊では人命が助かっても、備蓄食料は被害を受け、
避難生活で活用できないことを目の当たりにしました。
小千谷市では住宅被害数10,899棟のうち、全壊622棟、大規模半壊370棟、
半壊2,386棟でしたが、これらの住民は、自宅に戻ることはできず、
被災生活は数ヶ月に及び、長期の避難生活での課題が大きいことが分かりました。

家の耐震性は、生命の危険だけでなく、在宅避難を不可能とし、
長期避難所生活を招いていました。

【執筆】
 一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第7話)