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197 避難所の閉鎖に向けて(第5回)

小千谷市にぎわい交流課 地域づくり支援員 石曽根 徹(第5話)

 元小千谷市地域復興支援員(小千谷市産業開発センター所属)

 

冬が迫り、罹災証明の発行とそれに伴う仮設住宅への聞き取りが始まった。
私の管理する避難所に町内全ての家族が避難しているわけではないので、
他の避難所や親戚に身を寄せている住民にも意向調査をしなければならない。
特に高齢者は説明してもなかなか理解してもらえず往生した。

避難所の閉鎖が決まると、学校も現状復帰で返さなくてはいけない。
自衛隊のテントや仮設トイレはそれぞれが引き上げてくれたが、
支援物資や支援物資を入れていた仮設の倉庫はこちらで何とかしないといけない。

とりあえず支援物資は仕訳を手伝ってもらい整理して我が家の倉庫に入れた。
妻からは「家の片づけはどうするの」と言われ続けていたが、
そちらは後回しで妻に任せきりだった。

仕事にも復帰して、イベント会社だったので、復旧や復興へ向けての仕事が中心となった。
やがて、地域内に仮設住宅が完成し皮肉なことに大雪の冬を迎えることになる。
(つづく)

【執筆】
 小千谷市にぎわい交流課 地域づくり支援員 石曽根 徹(第5話)

 元小千谷市地域復興支援員(小千谷市産業開発センター所属)