前見附市立見附小学校長 前日本安全教育学会理事 松井謙太(第6話)
10月27日、震度6弱(小千谷では5強)の余震があった。
小千谷小学校の職員は三班に分かれ、これまで手の付けられなかった
理科準備室、教材室、図書準備室の片づけをしていた。
もとより家具が固定されていない部屋ばかり。
私がいた三階図書準備室では、大きな書架が辞典辞書の類を入れたまま、右に左に滑り動いた。
本震の記憶を思い出したのか、悲鳴を上げてしがみついてくる職員もいた。
揺れが収まり、玄関先で職員の点呼確認。
そして、顔を合わせた者同士、その時の状況や心境を口々に話し出した。
そんな時、「校舎内に戻って片付け作業の再開」との指示が出た。
張り詰めていた心の糸が切れる音がした。
無理もない。自宅が被災した多くの者は、日中学校で作業をし、帰ってからは家の片付けだ。
避難所から出勤している者も、知人宅に身を寄せて遠距離通勤となった者もいる。
夜間・休日の交代勤務もある。
地域の一員としての働きもしなくてはならない。
心身の疲れがピークになっていた。
この揺れで家に残してきた家族のことが心配だ。
そもそも怖くて、あの準備室に戻ることはとてもできない。
結果、泊り番となっていた職員を除き、ほとんどが年休を申し出て一斉に退勤した。
集団的で、群集心理のような不安定さを感じた。
このままではまずい。 (つづく)
小千谷小学校の職員は三班に分かれ、これまで手の付けられなかった
理科準備室、教材室、図書準備室の片づけをしていた。
もとより家具が固定されていない部屋ばかり。
私がいた三階図書準備室では、大きな書架が辞典辞書の類を入れたまま、右に左に滑り動いた。
本震の記憶を思い出したのか、悲鳴を上げてしがみついてくる職員もいた。
揺れが収まり、玄関先で職員の点呼確認。
そして、顔を合わせた者同士、その時の状況や心境を口々に話し出した。
そんな時、「校舎内に戻って片付け作業の再開」との指示が出た。
張り詰めていた心の糸が切れる音がした。
無理もない。自宅が被災した多くの者は、日中学校で作業をし、帰ってからは家の片付けだ。
避難所から出勤している者も、知人宅に身を寄せて遠距離通勤となった者もいる。
夜間・休日の交代勤務もある。
地域の一員としての働きもしなくてはならない。
心身の疲れがピークになっていた。
この揺れで家に残してきた家族のことが心配だ。
そもそも怖くて、あの準備室に戻ることはとてもできない。
結果、泊り番となっていた職員を除き、ほとんどが年休を申し出て一斉に退勤した。
集団的で、群集心理のような不安定さを感じた。
このままではまずい。 (つづく)
【執筆】
前見附市立見附小学校長 前日本安全教育学会理事 松井謙太(第6話)