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166 中越から能登へ ① -コミュニティ単位の避難生活・仮住まいを-

公益社団法人中越防災安全推進機構 理事長 中林一樹(第6話)

(新潟県中越大震災20年プロジェクト 実行委員長)

 

22024年1月1日にM7.6の能登半島地震が発生した。
さと山さと海の地域づくりを進めてきた能登地域に壊滅的な被害をもたらした。
その復興への第一歩は避難生活に始まり、仮住まいが終了するのが復興した時となる。

奥能登の被災地と同じく、中越地震は山塊崩落により多くの集落を孤立させた。
とくに2か月後に積雪期を迎える山古志村は孤立状態では越冬できないと、
全村避難を決意し、ヘリコプターも使って長岡市に全員避難した。

当初は避難所(1次避難先)にバラバラに入居したが、
全村民が避難後に、コミュニティの助け合い・行政の連絡に便利などに加え、
高齢者等の移住ストレス(リロケーション・ダメージ)を緩和するためにも、
避難所間での再配置(避難者の移動)をして、集落で助け合うコミュニティ・ケアに取り組んだ。

その集落単位の避難集団のまま、
2ヶ月後(雪が降る前)には仮設住宅に転居して復興に向かうことになった。

超高齢社会に向かう今こそ、コミュニティ単位で、事前防災に取り組み、
災害に対応し、避難生活から仮住まいを経て、誰一人直接死として犠牲になることなく、
誰一人として災害関連死として犠牲者になることのない、
地域社会の再生にみんなで取り組むことが求められている。

【執筆】
 公益社団法人中越防災安全推進機構 理事長 中林一樹(第6話)

(新潟県中越大震災20年プロジェクト 実行委員長)