元(公財)山の暮らし再生機構川口サテライト 地域復興支援員 佐々木ゆみ子(第6話)
震災から19年たつと、当時、地域づくりや復興に向けて
さまざまな活動に取り組んできた中心人物も同じように歳を重ね、
第一線から退くことが多くなりました。
ここで問題が…。次の活動につながる後継者探しです。
川口地域に上手にバトンがつながった例として「豆だ会」があります。
麹作り名人の丸山秀夫さんと味噌作り名人の小宮山豊彦さんが、
中越地震を機に味噌屋を廃業した方から3トンの木桶を譲り受け、平成17年に結成、
「あぐり味噌」を製造してきました。
木桶で仕込む味噌は温度変化がゆるやかなため、
ゆっくりと発酵・熟成し、独特の風味を醸す味噌となります。
80歳を超えたころから後継者探しをしていたふたり。
そこに現れたのが川口地域で発酵・熟成させ、
生ハムなどを製造販売している「みんなのハム」です。
ふたりの味噌作りの技を受け継ぎ、
昨年からの仕込みは「みなんのハム」が引き継いでいます。
木桶、寒仕込みと昔ながらの製法で作られる「あぐり味噌」は
道の駅 越後川口あぐりの里で販売。
夏頃に完売してしまうこともある人気商品になっています。
【執筆】
元(公財)山の暮らし再生機構川口サテライト 地域復興支援員 佐々木ゆみ子(第6話)