元新潟県県民生活・環境部 震災復興支援課長 丸山由明(第5話)
支援チームは、市町村課から4人、平成の市町村合併を推進するために
市町村課から分離独立した合併支援課から1人の計5人で構成し、
うち1人は連絡調整要員として市町村課に残し、4人が現地に乗り込むこととした。
チームのミッションは2つ。
全村避難で喪失した山古志村役場の基幹的機能を避難先の長岡市内で回復すること。
もう1つは、当時、全国ネットで稼動したばかりの「住民基本台帳ネットワークシステム」の
役場サーバーから「暗号化装置」を回収してくること。
これが外部に漏れると全国のシステムに大きなダメージとなる。
ここまでとんとん拍子できたものの、具体的な作業スケジュールや手法は全く用意していなかった。
まずは現地の状況把握とニーズの聞き取りをして、その後は・・・なんとかなるさ。
今振り返ってみると復旧から復興まで、私は一貫して「なんとかなるさ」だったように思う。
兎に角立ち止まってはいられないのだ。
と言うわけで、まずは一人で長岡市役所と山古志村災対本部が置かれた長岡地域振興局へ出かけた。
挨拶を兼ねての情報収集であったが、市役所は勿論のこと、
長岡振興局にも長岡出身の職員が多く派遣されていて、さながら高校の同窓会状態となっていた。
お陰で顔見知りも多く、長岡出身の私としてはとても心強かった。
混乱した状況下では組織的対応より人間関係の方が有効である。
「なんとかなりそうだな」心の中でそう呟いていた。
次回は長島村長をはじめ、私の目に映った山古志村災対本部の様子をお伝えします。
【執筆】
元新潟県県民生活・環境部 震災復興支援課長 丸山由明(第5話)