元多菜田の皿洗い係 山﨑麻里子(第1話)
中越地震の被災地を訪れた方は、山古志虫亀集落にある「農家レストラン多菜田」に
一度は訪れたことがあるのではないでしょうか。
震災の後、山古志を訪れる多くの支援者、工事関係者、ボランティアの皆さんに、
何かお礼がしたいと考え、母ちゃんたちが初めた小さな食堂です。
オープンから16年が過ぎ、母ちゃんたちも“ばあちゃん”になりつつありますが、
毎日元気に山のごっつぉを用意してくれています。
しかし2019年のコロナ禍では客足が伸び悩み、存続の危機に直面しました。
「お店を続けたい、残したい」という母ちゃんたちの努力と忍耐、
そしてクラウドファンディングを活用して資金を調達し何とか危機は脱しましたが、
高齢化、物価上昇、来客減少など、お店の経営は一筋縄ではいきません。
それでも、おいしい食事と温かい笑顔、楽しい会話で
訪れる私たちのお腹と心を満たしてくれる多菜田は
震災から20年を迎えようという今でも心を込めて営業中です。
「以前何度か食べに行ったなぁ」「久しぶりに煮物定食食べたいなぁ」と
多菜田のことを思い出していただけたでしょうか。
ぜひ、また訪ねてみてくださいね。
【執筆】
元多菜田の皿洗い係 山﨑麻里子(第1話)