長岡技術科学大学 教授 上村靖司(第6話)(新潟県中越大震災20年プロジェクト 副実行委員長)
12月上旬にほぼ完成した仮設住宅は、
家を失い避難所で暮らしていた住民に大きな安心を与えました。
しかし、この冬を傷んだ家で過ごす決意をした住民の不安は解消されません。
屋根1坪の上に1トン、つまり20坪の屋根なら20トンもの雪の重さがかかる地域です。
完全に直せなくても良いから、せめて応急的な補強をしなくては、
冬に家がつぶれてしまうかも知れません。
プロによる補修が間に合わないなら、素人大工で何とか補強するか、
雪の重さが小さいうちにこまめに雪下ろしするしかありません。
でも雪下ろしは、毎年転落して亡くなる方がいるという危険な作業です。
傷んだ家の屋根で、心身ともに疲れきった住民が例年以上の回数雪下ろしをしたら、
いったいどれだけの人が事故にあってしまうのでしょう。
私たち雪の研究者の立場で、少しでも住民の不安を和らげることは何かできないか。
建築の先生もいますから、応急的な補強のやり方を教えることができます。
私自身除雪の事故の分析をしていますから、
除雪中に事故に遭わないような注意を投げかけることもできます。
再び、全国の研究者に呼びかけ、
大急ぎで住民向けの住宅対策や事故防止の資料の作成に取り組んだのです。(つづく)
家を失い避難所で暮らしていた住民に大きな安心を与えました。
しかし、この冬を傷んだ家で過ごす決意をした住民の不安は解消されません。
屋根1坪の上に1トン、つまり20坪の屋根なら20トンもの雪の重さがかかる地域です。
完全に直せなくても良いから、せめて応急的な補強をしなくては、
冬に家がつぶれてしまうかも知れません。
プロによる補修が間に合わないなら、素人大工で何とか補強するか、
雪の重さが小さいうちにこまめに雪下ろしするしかありません。
でも雪下ろしは、毎年転落して亡くなる方がいるという危険な作業です。
傷んだ家の屋根で、心身ともに疲れきった住民が例年以上の回数雪下ろしをしたら、
いったいどれだけの人が事故にあってしまうのでしょう。
私たち雪の研究者の立場で、少しでも住民の不安を和らげることは何かできないか。
建築の先生もいますから、応急的な補強のやり方を教えることができます。
私自身除雪の事故の分析をしていますから、
除雪中に事故に遭わないような注意を投げかけることもできます。
再び、全国の研究者に呼びかけ、
大急ぎで住民向けの住宅対策や事故防止の資料の作成に取り組んだのです。(つづく)
【執筆】
長岡技術科学大学 教授 上村靖司(第6話) (新潟県中越大震災20年プロジェクト 副実行委員長)