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134 ライフライン途絶と代替

一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第5話)

 

中越大震災では、ライフラインが途絶して生活に困りましたが、
魚沼市在住で兼業農家の同僚の一人から「困らなかった」と言われたことがありました。

停電しても、農業用発電機があった。
断水したが、井戸が近くにあった。
まだ、くみ取り式のトイレが残っていた。
倉庫には収穫したばかりの米があり、野菜は畑に残っていたというものです。

これを聞いて、便利で快適な生活をするほど、
被災後の生活の不便さとのギャップが大きいことを知りました。

ライフラインが途絶して、加温も調理もできないから、
開封するだけで食べることができる非常食が必要と考えがちですが、
ライフラインの代替を備えておくことのほうが大切でした。

停電しても電気自動車があれば代替できます。
都市ガスが停止してもカセットコンロやプロパンガスを事前に備えていれば、
或いはペットボトル入り水を備えていれば断水でも慌てることはなくなります。
このことを、被災生活のなかで実感できたことは収穫でした。

【執筆】
 一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第5話)