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099 中越メモリアル回廊拠点整備事業について(その2)

福島県立博物館 主任学芸員 筑波匡介(第6話)(元中越メモリアル回廊担当職員) :

 

「中越メモリアル拠点整備基本構想」では、
「中越大震災メモリアル拠点に期待されている基本的な役割」として

 ①災害に強い地域づくりに向けた拠点
 ②被災経験や被災現場を活用した交流人口拡大の拠点
 ③世界的に多発する災害の被災地への支援や貢献活動の拠点

の三つを掲げ、さらに「中越大震災メモリアル拠点構築の視点」として

①「知」のネットワークの形成(学民連携による知見の創出・発信の仕組みづくり)
②「地」のネットワークの形成(知見活用による交流人口の拡大の仕組みづくり)

の二つを軸に据えました。

「中越メモリアル拠点整備」は、被災した現場をなるべく現状のまま保存することで、
震災経験の風化を防止することも目的にしています。

この事業では4施設3パークを被災地に設けることで震災の記憶を伝える場として整備し、
震災アーカイブの収集・活用拠点としての運営も担っています。

4つの拠点施設ではありますが、長岡市大手通に「長岡震災アーカイブセンター」、
小千谷市に「おぢや震災ミュージアム」、長岡市川口に「川口きずな館」がまずオープンし、
長岡市山古志では「やまこし復興交流館(仮)」が開設の準備を進めてました。

3パークは、地震発生の震央である川口武道窪に「震央メモリアルパーク」、
大規模な土砂崩落により被災現場となった長岡市妙見に「妙見メモリアルパーク」を整備しました。
山古志木籠では、中越地震最大の土砂崩落により発生した河道閉塞による水没集落があり、
「木籠メモリアルパーク」として位置づけました。

 

【執筆】
 福島県立博物館 主任学芸員 筑波匡介(第6話)

 (元中越メモリアル回廊担当職員)