長岡工業高等専門学校 非常勤講師 五十嵐一浩(第4話)(前三条市立第四中学校 校長) :
被災後太田小・中学校は避難所となりました。
そこには住民の方々や蓬平温泉に宿泊されていた大勢の方々が避難されたため、
せいぜい一人が座るくらいのスペースがあるくらいで大変混雑していました。
この時の経験から、防災教育で避難所運営を指導する際、
想定される避難者数を出すことは簡単ではないものの、
いくつかの条件を設定し、最大数で考えるように子ども達に伝えています。
数日後、地震により校舎が受けたダメージが大きく、
損壊の可能性があるということで学校を一時移転することになりました。
だれが、どのような話し合いをしたか分かりませんが、
結果として宮内地区にある前川小学校に間借りすることになりました。
当時、前川小学校の校長をされていた神村大輔先生は、
突然他の小・中学生が入ってきて大変だったと思うのですが、
私たち教職員に度々心温まる言葉をかけてくださいました。
今でも感謝していますし、そのお言葉を忘れることができません。
防災は想定外の災害に対する備えです。
その意味で、校舎が使えなくなることも事前に考える必要があります。
市町村や県はそういった事態になった際、誰かの温情にすがるのではなく、
システマチックに対応する準備をしておく必要があると思います。
ちなみに太田小・中学校が改修された校舎に戻れたのは震災の2年後でした。
【執筆】
長岡工業高等専門学校 非常勤講師 五十嵐一浩(第4話)